しい。
それなのに、家の中にあるモノの総量は、むしろ増え続
けている。
この矛盾を支えてきたのが、押し入れであり、クローゼ
ットであり、実家の物置だった。
だが、その前提そのものが、もう崩れ始めている。
押し入れという収納装置は、そもそも
「一家族が、同じ家に長く住み続ける」
ことを前提に設計されたものだ。
布団を入れ、季節の道具をしまい、思い出の品を奥にそ
っと押し込んでおく―
―そういう、腰を据えた暮らし方に最適化された箱であ
る。
ところが今、単身世帯は増え、共働き世帯が標準になり、
転勤や引っ越しは以前よりずっと軽くなった。
人は動く。
だがモノは、そう簡単には動いてくれない。
結果として起きているのは、単純な引き算だ。
昔ながらの「腰を据えた収納」に対して、現代の暮らし
はあまりに慌ただしい。
押し入れ一竿では、もう受け止めきれない量のモノを、
私たちは抱えて生きている。
ここで多くの人が採る選択肢は、実はそう多くない。
ひとつは、モノを減らすこと―
―つまり断捨離である。
もうひとつは、収納スペース自体を増やすこと―
―つまり、より広い家に住み替えることである。
だが、どちらも簡単ではない。
減らせないから困っているのであり、住み替えるには当
然、相応の費用がかかる。
そこで浮かび上がってくるのが、みっつ目の選択肢だ。
家の中に収納を増やすのではなく、家の外に収納を持つ、
という発想。
これは特殊なことでも、贅沢なことでもない。
むしろ、押し入れという装置が前提としていた
「動かない暮らし」が崩れた以上、収納の形もまた、変
わって当然なのだと思う。
物理的な制約は、精神論では解決しない。
足りない棚を、気合いで増やすことはできない。
では実際、家の外にどんな置き場所を持てるのか。
次回以降、具体的な選択肢を、料金と使い勝手の面から
ひとつずつ見ていきたい。
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