2026年09月02日

モノを手放せない、この国の話。

断捨離、ミニマリスト、片付けの魔法―

―この十年ほど、日本はずっと「捨てろ」と言われ続け
てきた。
書店に行けば片付け本が平積みになり、SNSには
「今日も一つ手放しました」という報告が流れてくる。


にもかかわらず、である。


街を歩けば、屋外型のトランクルームは年々数を増やし、
宅配便の伝票には「保管サービスへの発送」という見慣
れない文字が並ぶようになった。
捨てろと言われるほど、人はモノを預ける場所を探して
いる。矛盾しているようで、実はこれくらい筋の通った
話もない。


考えてみれば当然だ。捨てるという行為には、決断と、
多少の罪悪感と、それなりの覚悟がいる。
一方、「とりあえず預ける」には、決断も罪悪感もいら
ない。ただ箱に詰めて、送るだけでいい。
判断を先送りにする権利を、月々数百円で買っているよ
うなものだ。



これは怠惰ではなく、むしろ極めて合理的な選択だと思
う。

人間は
「今すぐ要らないが、いつか要るかもしれないもの」
の扱いに、昔からずっと苦手意識を持ってきた。

実家の押し入れ、会社の倉庫、祖父母の蔵―
―形を変えながら、この国は常に
「とりあえず置いておく場所」
を必要としてきた。
宅配型の収納サービスは、その最新形態にすぎない。



このブログでは、そうした「捨てられない社会」を横目
に見ながら、宅配型トランクルーム・収納サービスの実
態を淡々と比較していきたいと思う。

何を捨て、何を残すべきかという説教は、片付け本の担
当領域だろう。
こちらが扱うのは、もっと即物的な話―
―月額はいくらか、取り出すのにいくらかかるか、どこ
の倉庫に何が眠ることになるのか、という話である。



片付けられないことを恥じる必要はない。
ただ、預け先くらいは、賢く選んでおいた方がいい。


次回以降、具体的なサービスをひとつずつ俎上に載せて
いく。
posted by 蔵番moya at 18:18| Comment(0) | 収納コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください